譲渡所得等の課税の特例の適用に関する事前協議の概要

Q. 公共事業等に関する収用に係る課税の特例の事前協議について概要を教えてください。

A. 主に下記のとおりとなります。

 リニア中央新幹線名古屋駅周辺における用地買収等について、思わぬ課税を避けるために事前協議をされることをお勧め致します。

〇目的

 事業施工者等は、買取等に係る事業が課税の特例に該当するか否か等を事前に税務署等と協議したうえで、買取に着手することにより、事後的に生じうる税務上のトラブルを避けることができます。

〇事前協議の対象となる公共事業等

 主に次のとおりとなります

 ・収用等の場合の譲渡所得の特別控除等に規定する事業

   収用等に伴い代替資産を取得した場合の課税の特例(措法33,64)

   交換処分等に伴い資産を取得した場合の課税の特例(措法33の2,65)

   換地処分等に伴い資産を取得した場合の課税の特例(措法33の3,65)

   収用交換等の場合の譲渡所得の特別控除(措法33の4,65の2)

 ・特定事業の用地買収当の場合の譲渡所得の特別控除等に規定する事業

〇事前協議の申出先

 原則として事業施工地を所轄する税務署となりますが、鉄道事業者等の施工事業は国税局となります。

 また事前協議の申出は、事前協議を行う税務署等宛に事前協議書類を郵送等で送付することにより行うことができます。

〇事前協議の省略

 被買収者が受け取る補償金額の最高額が200万円未満である事業については、事前協議を省略することができます(被買収者に対する証明書等の作成・交付は必要となります)。

〇事前協議の申出者

 原則として公共事業の施工者が行うべきものとされております。

〇事前協議の申出方法

 主に下記書類を添付した「租税特別措置法施行規則第_条第_項第_号に規定する書類の発行を予定している事業に関する説明書」等の書面によりおこないます。

 ・事業施行者が事業の施行を決定したことを明らかにする書類

 ・事業計画書

 ・事業施行地を表示する図面

 ・事業計画を表示する図面

 ・買取り等をする土地等の一筆ごとの明細

 ・買取り等をする資産(土地を除きます。)の明細 等

〇事前協議の検討事項

 税務署等において下記事項等を検討されます。

 ・事業計画の具体性

 ・事業の土地収用法上の適格性

 ・事業の税法上の適格性

 ・代行買収の適格性

 ・買取資産の適格性 等

〇税務署からの通知

 事業施工者に対して「協議に係る証明書が発行できる事業に該当する」旨又は「該当しない」旨の通知文書(確認通知書)で行われます。

〇事業完了に係る事前協議の申出先への連絡

 事業が完了した場合には、「事前協議に係る事業の完了について」を作成し、事前協議を行った税務署の審理専門官等宛に提出致します。