相続時精算課税制度の選択が望ましい場合とは
贈与には、暦年贈与と相続時精算課税制度の2つの方法があります。相続時精算課税制度は一度選択をすると、それ以後の贈与について暦年贈与は適用さません。それ故に中長期的な観点から贈与とその選択する方法を検討する必要があります。しかし次のような財産については、相続時精算課税制度を利用された方が相続税対策となる場合があります。
  1. 将来的に価値が値上がりするもの
  2. 収益を生むもの

 相続時精算課税制度により贈与した資産は、相続財産に持ち戻され相続税の計算を行いますが、その価額は相続時の価額ではなく贈与時の価額です。

したがって将来的に資産価値が増加することが見込まれる資産は、評価額の低い時に贈与されることが節税対策となります(1)。

 また収益性の高い(家賃収入のある)賃貸物件等の保有は相続財産を増加させることになるため、早期に贈与をすることで当該物件からの収益が相続税課税対象から外れます(2)。

 したがって、「相続時精算課税制度を利用して賃貸アパート等を早期に贈与する」ということも相続税対策につながりますので、一度検討をしてみてはいかがでしょうか。