≪居住用財産を譲渡した場合の各種特例の適用Q&A③≫

Q7【敷地のみの譲渡】

 自己の居住用家屋とその敷地を売却予定でおりましたが、買手が見つからなかったため、当家屋を取壊し、敷地を更地として売り出しました(家屋取壊し後における土地は未使用)。その結果、8か月後に売却することができました。この敷地の譲渡は、居住用財産を譲渡した場合の各種特例の適用対象となりますか。

A7

 居住の用に供している家屋を取壊し、その家屋の敷地の用に供されていた土地等を譲渡した場合において、下記要件を満たすときは、特例の適用対象となります。

① その土地等の譲渡に関する契約が、その家屋を取り壊した日から1年以内に締結され、かつ、その家屋を居住の用に供さなくなった日以後3年を経過する日の属する年の12月31日までに譲渡したものであること

② その家屋を取り壊した後譲渡に関する契約を締結した日まで、貸付けその他の用に供していないその土地等の譲渡であること

 したがって、この度の土地の譲渡は、居住用財産を譲渡した場合の各種特例の適用対象となります。

Q8【引き家をした場合】

 居住用家屋を引き家し、敷地の一部を売却しました。この敷地の譲渡について、居住用財産の譲渡した場合の各種特例は適用可能でしょうか。

A8

 居住用家屋を引き家し、その敷地の一部を譲渡した場合、居住の用に供している家屋が存在しているため、各種特例の適用はできません。

なお居住用家屋の敷地の一部譲渡において、下記の場合には居住用財産を譲渡した場合の各種特例の適用対象となります。

① 居住している家屋とともにその敷地の一部を譲渡した場合

② 居住している家屋の敷地の一部を譲渡するためにその家屋を取り壊した場合

Q9【店舗兼住宅の場合】

 店舗兼住宅(店舗:住宅=1/2:1/2)とその敷地を売却しますが、居住用財産を譲渡した場合の各種特例の適用は可能でしょうか。

A9

 居住の用に供していた部分(1/2)についてのみ、居住用財産を譲渡した場合の各種特例の適用が可能となります。

 なお、具体的な居住用部分の判定は下記の算式により行います。

 ① その家屋のうち居住の用に供している部分

  その家屋のうち居住の用に専ら供している部分の床面積A

  +その家屋のうち居住の用と居住の用以外の用とに併用されている部分の床面積

  ×A/(A+居住の用以外の用に供されている部分の床面積)

 ② その土地等のうち居住の用に供している部分

  その土地等のうち居住の用に専ら供している部分の面積

  +その土地等のうち居住の用と居住の用以外の用とに併用されている部分の面積

  ×①の算式により計算した床面積/その家屋の床面積

 また、①又は②の面積の全体に占める割合がおおむね90%以上である場合には、その全部が居住用部分に該当するものとして計算し申告しても差し支えありません。