≪居住用財産を譲渡した場合の各種特例の適用Q&A①≫

Q1【過去に居住していた場合】

 約20年前に居住用家屋を購入し、5年間居住していました。その後知人に賃貸し、この度当居住用家屋を売却しました。当売却にあたり居住用財産を譲渡した場合の特例は適用できますでしょうか。

A1

 居住の用に供されなくなった日以後3年を経過する日の属する年の12月31日までに売却されたものではないため、居住用財産を譲渡した場合の各種特例の適用はできません。

Q2【譲渡時に新家屋に居住している場合】

 約15年前に購入し居住していたX家屋がありましたが、この度転居することになりました。転居に伴い甲家屋の売却を依頼しましたが、売却前に転居先の居住用Y家屋を購入しました。その後X家屋は空き家の状態であり、住まなくなって2年後に売却が決定しましたので譲渡しました。この場合における譲渡は、居住用財産を譲渡した場合の各種特例の適用対象となりますか。

A2

 譲渡時には居住用不動産を2つ有していることになりますが、X家屋をその居住の用に供されなくなった日以後3年を経過する日の属する年の12月31日までの間に譲渡されていれば、居住用財産を譲渡した場合の各種特例の適用対象となります。

Q3【仮住まい(別荘など)の場合】

 30年間居住しているP家屋を改修するため、近隣のQ家屋を仮住まいとして一時的に入居しました。数か月にわたる改修が終わり、P家屋に戻る際にQ家屋を売却しました。この売却について、居住用財産を譲渡した場合の3,000万円控除の特例は適用できますでしょうか。

A3

 居住用財産を譲渡した場合の3000万円控除の特例の適用は、原則として居住の用に供している家屋(生活の拠点として利用している家屋)である必要があり、一時的な利用を目的としている家屋はその対象から除かれます。したがって、この度の事例では、居住用財産を譲渡した場合の3,000万円控除の特例は適用できません。

 なお、下記の様な家屋は居住の用に供している家屋に該当しないものとして、特例の適用を受けることはできません。

① この特例の適用を受けるためのみの目的で入居したと認められる家屋

② 家屋の新築期間中だけの仮住まいである家屋その他一時的な目的で入居したと認められる家屋

③ 主として趣味、娯楽又は保養の用に供する目的で有する家屋(別荘など)