譲渡価格について
Q 個人所有の建物を法人に移転する場合の価額はどのように決めたらよいでしょうか。
A 建物の譲渡価格は時価によります。
建物の譲渡価格は時価によります。しかし、同族間取引において適正な時価を決定するのは、恣意性が介入する恐れがあるため難しいものと考えられます。したがって、同族間取引における譲渡価格(時価)は下記を参考に検討することが多いと思われます。
・帳簿価額
(建築年数が経過しており帳簿価額が僅少でもあるにかかわらず高額な賃料収入がある建物については、時価として不適切と思われます)
・固定資産税評価額
(建築当初の評価額は建築価格の40%から70%相当となっていることが多いため、時価として不適切と思われます)
・不動産鑑定評価額
(係争中等の場合には、不動産鑑定士による鑑定評価が望ましいと思われます)
なお、同族間取引において不適切な譲渡価額で取引を行った場合には、受贈益の認定等の課税関係が生じる可能性があります。例えば不適切に低額(時価の1/2未満)な譲渡を行った場合には、個人(譲渡者)に対してはみなし譲渡課税(時価による譲渡課税)の対象となり、法人(譲受者)に対しては法人税の受贈益課税の対象となります。
Point
不動産所有会社の設立・運営にあたり譲渡価額の決定は非常に重要なものとなります。事後的に否認をされないよう事前にしっかりと検討しましょう。